はじめに
「南米のパリ」と称されるアルゼンチンの首都、ブエノスアイレス。ヨーロッパの洗練された建築美と、ラテンアメリカの情熱的な空気感が混ざり合うこの街には、旅行者を魅了するスポットが数多く点在しています。
今回は、初めてのブエノスアイレス旅行で絶対に外せない王道の観光名所から、現地のディープな歴史や文化に触れられるスポットまで厳選してご紹介します。各スポットの最高の写真アングルや、知っておくべき現地のリアルなルールも併せて解説するので、ぜひ旅の参考にしてください。
マージョ広場
📍 住所:Av. Hipólito Yrigoyen s/n, C1087 Cdad. Autónoma de Buenos Aires, アルゼンチン
ブエノスアイレスの心臓部であり、街歩きのスタート地点として最適なのが「マージョ広場(Plaza de Mayo)」です。ここは、アルゼンチン独立の契機となった1810年の五月革命の舞台となった歴史的に非常に重要な場所です。
広場の周辺には、ピンク色の外観が目を引く大統領府(カサ・ロサダ)や、荘厳な装飾が美しいメトロポリタン大聖堂など、国を代表する重厚な建築物が立ち並んでいます。道幅が非常に広く開放的で、遠くには街のシンボルであるオベリスクの姿も望むことができます。
日中は活気に溢れていますが、夕暮れ時から夜にかけては周辺の建物が美しくライトアップされ、ぐっとロマンチックな雰囲気に。ブエノスアイレスで最も美しい場所の一つと言っても過言ではなく、カメラを片手にゆっくりと散策したいスポットです。
ブエノスアイレスのオベリスク
📍 住所:Av. Corrientes, C1010 Cdad. Autónoma de Buenos Aires, アルゼンチン
世界で最も幅が広いと言われる「7月9日大通り」と、劇場やピザ屋が立ち並ぶコリエンテス通りの交差点にそびえ立つのが「ブエノスアイレスのオベリスク」です。1936年にブエノスアイレス市の創設400周年を記念して建てられた、高さ67.5メートルの巨大な記念碑です。
展望階へ向かうエレベーターツアーも開催されていますが、地上階のガイド説明や写真販売などで少し面倒な部分もあるため、無理に登らずとも十分に楽しめます。圧倒的な存在感を放つこのモニュメントは、外から眺めてこそその真価を発揮します。
写真撮影のベストスポットは、近くに設けられたテラス状の階段エリア。そこから見上げるように撮るか、少し通りから離れて、交差点を走る車や街の喧騒とともにカメラに収めると、大都会ブエノスアイレスのダイナミックな躍動感が伝わる素晴らしい一枚が撮影できます。
レコレータ墓地
📍 住所:Junín 1760, C1113 Cdad. Autónoma de Buenos Aires, アルゼンチン
「お墓が観光名所?」と驚くかもしれませんが、ブエノスアイレスを訪れたなら「レコレータ墓地」は必見です。日本のお墓の概念を根底から覆す、まるでミニチュアの宮殿や神殿が立ち並ぶヨーロッパの街並みのような、不思議で美しい空間が広がっています。
ここは歴代大統領やノーベル賞受賞者、そして国民的ヒロインであるエバ・ペロン(エビータ)など、アルゼンチンの著名人が数多く眠る場所です。美しく保たれたステンドグラスや彫刻がある一方で、時の流れを感じさせる朽ちかけた霊廟もあり、静寂の中で独特の退廃美を感じることができます。よく見ると、朽ちかけた外観のお墓の中にも、真新しいお供え物が飾られており、人々の思いが今も受け継がれていることが分かります。
【注意点】現在、海外からの旅行者は入場料が必要となっており、支払いは「クレジットカードのみ(現金不可)」です。入り口でマップをもらい、目当ての人物のお墓を探しながら散策するだけでも十分楽しめますが、より深く歴史や建築様式を知りたい場合は、現地のガイドツアーを利用するのがおすすめです。
エル・アテネオ
📍 住所:Av. Sta. Fe 1860, C1123 Cdad. Autónoma de Buenos Aires, アルゼンチン
本好きでなくても絶対に訪れたいのが「エル・アテネオ(El Ateneo Grand Splendid)」です。イギリスのメディアなどで「世界で2番目に美しい本屋」に選ばれたこともある、ブエノスアイレス屈指のフォトジェニックな観光名所です。
1919年にオープンした劇場「グラン・スプレンディッド」の建物をそのまま利用しており、ドーム型の天井に描かれたフレスコ画、豪華な赤いベルベットのカーテン、優雅なバルコニー席など、当時の華やかな面影を色濃く残しています。かつてのステージ部分はなんとカフェになっており、コーヒーを飲みながらこの壮大な空間を眺めるという贅沢な時間を過ごすことができます。
絶好のフォトスポットは、3階の中央バルコニー。タイミングを見計らって撮影すれば、劇場全体を見渡す息を呑むような一枚が撮れます。また、上の階には日本の漫画がスペイン語に翻訳されたコーナーもあり、日本との意外な繋がりを楽しめるのもポイント。旅行者にとって、無料で清潔なトイレが完備されているのも非常にありがたい施設です。
Palacio Barolo
📍 住所:Av. de Mayo 1370, C1085 Cdad. Autónoma de Buenos Aires, アルゼンチン
街歩きの中で見逃してはならないのが、マヨ通りに建つ傑作建築「Palacio Barolo(パラシオ・バローロ)」です。1923年に欧州からの移民のために建てられた22階建て・高さ100メートルのこのビルは、イタリアの詩人ダンテの『神曲』に基づいて設計されたという非常にディープな背景を持っています。
建物の下層から上層へ向かって「地獄・煉獄・天国」のモチーフがデザインされており、階を上がるごとに光の入り方や装飾が変わるという徹底したこだわりに圧倒されます。見学には90分ほどの充実したガイドツアーへの参加が必要です。
ツアーでは、地上階、14階のバルコニー、そして20階の展望台から22階の灯台へと昇っていきます。20階のバルコニーからは、国会議事堂をはじめとするブエノスアイレスの街並みを360度のパノラマビューで見渡すことができます。夜のツアーではワインのテイスティングも用意されており、宝石のように輝く夜景を眺めながらの極上体験は、旅の忘れられないハイライトになるはずです。
【Tips】ブエノスアイレスを効率よく巡る交通事情
広いブエノスアイレスの街を効率的に観光するなら、「Buenos Aires Bus」などの2階建てホップオン・ホップオフバス(オープントップバス)の活用が非常に便利です。
主要な観光スポットを網羅しており、日本語の音声ガイドを聴きながら街の全体像を掴むことができます。レコレータ地区からサンテルモ、パレルモなど、エリアごとの雰囲気の違いを車窓から一気に楽しめるため、到着初日の利用に最適です。
一方で、現地の人の足である市内の路線バス(コレクティーボ)は、400以上の路線があり安価でどこへでも行けます。支払いは交通系ICカードの「SUBEカード」か、クレジットカードのタッチ決済で乗車時に運転手に行き先を告げるだけと非常に簡単です。
ただし、固定の時刻表がないため「長い間バスが来ないのに、突然2台同時に来る」という南米特有の洗礼を受けることも。時間と心に余裕を持ち、ラテンのおおらかなリズムに合わせて「現地の日常」を楽しむスタンスで利用してみてください。
