世界一美しい海辺の村、チンクエテッレの歩き方とお土産探し
イタリア北西部、リグーリア海に面した断崖絶壁に連なる5つの村「チンクエテッレ」。色鮮やかな家々が海と空の青に映えるその景観は、ユネスコ世界遺産にも登録されており、世界中の旅行者を魅了してやみません。
美しい景色を堪能するのはもちろんですが、旅行のもう一つの醍醐味といえば「お土産探し」。このエリアには、リグーリア州ならではの特産品や、職人の手仕事が光るクラフト、そして絶品のローカルスイーツがたくさん隠れています。
本記事では、ただ景色を見るだけではもったいない、チンクエテッレ(特に最大の村・モンテロッソ・アル・マーレを中心)で絶対に立ち寄りたい厳選スポットをご紹介します。アクセス時の注意点や、現地ならではのリアルな買い物事情も交えて解説するので、ぜひ旅の参考にしてください。
チンクエテッレ国立公園
📍 住所:イタリア 〒19018 ラ・スペツィア ヴェルナッツァ
1999年に設立されたイタリアで最も小さな国立公園でありながら、5つの歴史的な村(モンテロッソ、ヴェルナッツァ、コルニリア、マナローラ、リオマッジョーレ)と、段々畑が織りなす「生きた文化的景観」を保護している特別なエリアです。崖に沿って広がるブドウ畑やオリーブの木々は、数百年かけて人間が自然と共生しながら作り上げた奇跡の風景です。
この公園内を観光するにあたって、絶対に知っておくべきリアルなポイントが「交通手段」です。美しい自然を保護するため、各村の道は非常に狭く、急勾配が続きます。駐車場も極端に少ないため、レンタカーでの移動は渋滞のリスクが高く、おすすめできません。村から村への移動は、頻繁に運行されているローカル電車(チンクエテッレ・エクスプレス)を利用するのが最も効率的です。また、少し値段は張りますが、海側から全景を眺められるフェリー(船)でのアクセスも、感動的な景色に出会えると旅行者に大人気です。
広大な国立公園のすべてをじっくり巡るなら、最低でも1〜2日は必要です。ベストシーズンは気候が暖かくなる4月以降。日中は多くの観光客や賑やかなお土産屋さんで活気にあふれますが、夕暮れ時になると海に沈む夕日が村をオレンジ色に染め上げ、信じられないほどロマンチックな夜景へと姿を変えます。荷物を預ける大型ロッカーなどは村内にほとんどないため、身軽な格好で散策を楽しむのがコツです。
Cantina du Sciacchetra’
📍 住所:Via Roma, 7, 19016 Monterosso al Mare SP, イタリア
モンテロッソ・アル・マーレの旧市街、賑やかなメインストリートから少し入った場所にある、家族経営の素敵なエノテカ(ワインバー兼お土産店)です。店名にもなっている「シャケトラ(Sciacchetra)」とは、チンクエテッレ周辺の急斜面で栽培されたブドウから作られる希少な甘口のデザートワインのこと。ワイン好きなら絶対に手に入れたい逸品です。
店内にはワインだけでなく、リモンチェッロ(レモンリキュール)、地元産の極上オリーブオイル、特産のアンチョビ、手打ちパスタ(テスタローリやトロフィエ)など、思わずまとめ買いしたくなるようなローカルフードがずらりと並んでいます。お土産選びに迷ったら、気さくなスタッフがワインと相性抜群のペスト(ジェノベーゼソース)などの組み合わせを提案してくれます。
また、充実したバーカウンターが併設されており、グラスワインと新鮮な地元食材を使った本格的なおつまみプレートを楽しむことができます。ただし、スローペースなイタリアンタイムが流れているため、タイミングによっては食事の提供に時間がかかることも。スケジュールを詰め込まず、ゆったりとくつろぐつもりで訪れるのが正解です。なお、オリーブオイル漬けの瓶などを購入して持ち帰る際は、スーツケース内で漏れないよう、購入時にフタの密閉度を確認するか、ジップロックなどを持参して二重にパッキングすると安心です。
Fabbrica D’Arte Monterosso
📍 住所:Via Vittorio Emanuele, 27, Via Roma, 9, 19016 Monterosso al Mare SP, イタリア
「大量生産のありきたりなお土産ではなく、一生モノの思い出を持ち帰りたい」という方に全力でおすすめしたいのが、1982年創業の陶器工房「Fabbrica D’Arte Monterosso」です。モンテロッソの海や大地からインスピレーションを受けた職人が、地元の土や釉薬の配合からこだわり、一つひとつ丁寧に手作りしています。
店内に並ぶのは、色鮮やかなレモンやオリーブの木が描かれたお皿、チンクエテッレの独特な「家々(カソッテ)」をかたどった置物、海を泳ぐアンチョビをモチーフにした可愛らしいボウルなど、見ているだけで心躍る作品ばかり。すべて手作業で絵付けされているため、同じデザインでも少しずつ表情が異なり、自分だけの「一点モノ」と出会う喜びがあります。
モンテロッソ内に徒歩2分ほどの距離で2つの店舗(Via V. Emanuele店とVia Roma店)を構えており、それぞれで品揃えが異なります。陶器好きなら両方の店舗をハシゴするのが鉄則です。接客は職人気質で控えめなため、入店時に熱烈な歓迎を受けないこともありますが、それは彼らが作品作りに集中しているからこそ。気にせず、ゆっくりと自分のお気に入りを発掘する時間を楽しんでください。
Pasticceria Bar Laura
📍 住所:Via Vittorio Emanuele, 59, 19016 Monterosso al Mare SP, イタリア
歩き疲れたときの糖分補給や、ローカルな朝食を体験したいなら、1966年からモンテロッソの中心で愛され続けている老舗「Pasticceria Bar Laura」へ。外観は少しレトロで90年代風の素朴な佇まいですが、ショーケースに並ぶ伝統的なスイーツの数々を見れば、誰もが虜になるはずです。
ここで絶対に注文すべき看板メニューは、オリジナルレシピの「Torta Monterossina(モンテロッソパイ)」。サクサクのパイ生地に、カスタードクリーム、チョコレート、ジャム、スポンジが見事に層をなしており、濃厚なイタリアンエスプレッソと信じられないほどよく合います。運が良ければ、通りの向かいにある工房で職人たちが手際よくパスタやペイストリーを仕込んでいる様子を垣間見ることもできます。
カフェとしての使い勝手も抜群で、朝はカプチーノと焼きたてのクリーム入りカンノーリで目を覚まし、夕方は行き交う人々を眺めながら「アペリティーボ(食前酒)」としてスプリッツを一杯引っかけにいく、という現地住民のような過ごし方が可能です。手軽にテイクアウトもできるので、美味しいお菓子を片手に海辺のベンチでリラックスするのも最高の思い出になるでしょう。
チンクエテッレで失敗しないためのお買い物Tips
チンクエテッレでのショッピングをより快適にするためのコツをいくつかご紹介します。
まずは「持ち帰りの装備」について。この地域の特産品であるワイン、オリーブオイル、ジャム、ペストなどの多くは「重いガラス瓶」に入っています。また、手作りの陶器も割れ物です。村内の石畳や急な階段、混雑する電車をこれらを持って移動するのは思いのほか体力を奪われます。お買い物はできるだけ村巡りの「終盤」に設定するか、クッション材となる洋服でしっかり包み、頑丈なエコバッグに入れて持ち歩くようにしましょう。
また、村の小さなお店では、店員さんが家族経営でのんびり働いていることが多いです。日本の都市部のようなスピード感のある過剰なサービスを期待するのではなく、挨拶(Buongiorno!)から始まり、世間話を交えながらの買い物を楽しむ「心のゆとり」を持つことが、イタリア旅行を何倍も充実させる秘訣です。

