ラ メール プラール
📍 住所:Grande Rue, 50170 Le Mont-Saint-Michel, フランス
モンサンミッシェルに到着してメインストリートである「グランド・リュ(Grande Rue)」を歩き始めると、すぐにリズミカルなカチャカチャという音が耳に飛び込んできます。これは、1888年の創業以来、世界中から訪れる巡礼者や旅人の胃袋を満たしてきた老舗レストラン「ラ メール プラール」の厨房から響く音。入り口では、スタッフが銅のボウルを使って巨大な泡立て器で卵をかき混ぜる様子を見学でき、お店に足を踏み入れる前からその熱気とライブ感に圧倒されます。
看板メニューは言わずと知れた「伝統のオムレツ」。薪火の暖炉を使ってじっくりと焼き上げられるそのオムレツは、横20センチ強・縦10センチという巨大なサイズ感ながら、メレンゲのようにしっかりと泡立てられているため、スフレのようなふわふわとした軽い食感が特徴です。バターの豊かな風味と、あっさりとした口当たりが絶妙なバランスを生み出しています。
歴史ある有名店ということもあり、店内は常に世界中から訪れる旅行者や地元フランスの客で賑わっています。お値段は決して安くはなく、また歴史的建造物の中にあるため席の間隔はかなり狭めですが、それも含めて「モンサンミッシェルならではの熱狂的な空気感」として楽しめる方には最高の体験になるはずです。焼き上がりには時間がかかるため、入店後30分ほど待つことも珍しくありません。時間に余裕を持って、歴史ある空間の雰囲気を味わいながらゆったりと過ごすのがおすすめです。
モンサンミッシェルにおけるヴィーガン&ベジタリアン事情
ここからが、食に制限を持つ中長期滞在者・留学生や旅行者が最も知りたい「リアル」な情報です。結論から言うと、モンサンミッシェルを含むフランス・ノルマンディー地方は、良質なバター、チーズ、塩コショウを効かせた羊肉(プレ・サレ)やシーフードといった動物性食材を多用する食文化が根付いており、「完全なヴィーガン」にとって外食のハードルは極めて高いエリアです。
「ラ メール プラール」のオムレツも、主原料は卵とたっぷりのバターを使用しているため、残念ながらヴィーガンの方はお召し上がりいただけません。しかし、卵や乳製品は口にする「オボ・ラクト・ベジタリアン」の方であれば話は別です。お店にはお肉を使わない野菜中心の付け合わせがセットになったメニュー(La Végétarienne)も用意されており、マッシュポテトやサラダと絡めながら食べるオムレツは絶品です。もしグループの中にヴィーガンの方がいる場合は、オムレツではなく、ベジタリアンサラダやシンプルなフライドポテトといったアラカルトメニューを頼む工夫が必要になってきます。
ハラル対応と現地で食事難民にならないための注文のコツ
ハラル(豚肉・アルコールNG)を実践している旅行者にとっても、地方特有のメニュー選びには注意が必要です。「ラ メール プラール」はハラル認証店ではありませんが、オムレツ自体に豚肉のエキスなどは含まれていません。ただし、付け合わせとして生ハムやポークソテーが乗っているセットメニューがあるため、注文時には必ず「プレーンなオムレツ」や「ホタテやサーモンなどのシーフードセット」を指名するようにしましょう。また、ノルマンディー地方はリンゴのお酒「シードル」が名物ですが、アルコールを避ける場合は、同じく地元の名産である濃厚な「ノンアルコールのりんごジュース」をオーダーするのが、現地ならではの粋な楽しみ方です。
また、モンサンミッシェルの島内(イントラムロス)の飲食店は限られており、ピークタイム(12時〜14時)はどこも大混雑します。平日の11時半頃や13時半過ぎなど、少し時間をずらすだけで予約なしですんなり入れる確率が高まります。もしヴィーガンの方で島内での食事に不安がある場合は、対岸のスーパーマーケットで新鮮な現地のフルーツやバゲット、ナッツ類などを事前に購入しておき、ピクニックスタイルで壮大な景色を眺めながら食べるというのも、ヨーロッパの長期滞在者や現地の事情に詳しい留学生に人気のある実用的な裏技です。
