世界有数の「ヴィーガン・キャピタル」として知られるドイツの首都・ベルリン。旅行者や中長期滞在の留学生はもちろん、ハラルやヴィーガンなどの食事制限がある方にとっても、この街はまさに食の楽園です。
しかし、ヴィーガン対応のお店が街中に溢れているからこそ、「本当に美味しくて、現地の雰囲気が味わえるのはどこ?」と迷ってしまうのも事実。ただ植物性というだけでなく、ノンヴィーガンの地元民すらも「ここの料理が食べたい!」と足繁く通う名店がベルリンには数多く存在します。
そこで今回は、味も熱量も間違いなしの絶品ヴィーガンスポットを5つ厳選しました。知っておきたいローカルな注文のコツや、混雑する時間帯、お店ごとのディープな魅力まで、リアルな目線で徹底解説します。
1990 Vegan Living
📍 住所:Krossener Str. 19, 10245 Berlin-Bezirk Friedrichshain-Kreuzberg, ドイツ
お洒落なカフェやバーが密集するフリードリヒスハイン地区・ボックスハーゲナー広場(Boxhagener Platz)のすぐ近くにある「1990 Vegan Living」。ここは、連日多くのベルリナーで賑わう大人気のヴィーガン・ベトナム料理店です。
店名にある「1990」は、90年代のベトナムの時代背景に由来しています。当時、肉が不足していたことから生まれた「野菜とスパイスを巧みに使った家庭的なヴィーガンレシピ」の数々を、現代のベルリンに蘇らせたのがこのお店のコンセプト。店内は、ベトナムのおばあちゃんの家に招かれたような、どこか懐かしく温かい雰囲気に包まれています。
ここの最大の特徴は、色々な料理を少しずつ楽しめる「小鉢(タパス)スタイル」。注文は、テーブルに置かれた紙にメニューの番号を書き込んで店員に渡すローカルなシステムです。おすすめは、トロトロに仕上がった「ナス料理(メニューの5番)」や、まるで本物のエビのような風味を持つ「衣付き豆腐」。濃厚なピーナッツバターソースとの相性は抜群で、ライチモヒートなどのカクテルと一緒に味わうのが現地流です。
特にテラス席は大人気で、行き交う人々を眺めながら食事ができるため常に行列が絶えません。並ばずに座りたい場合は、ピークを外した遅めのランチタイム(15時頃)や、開店直後の訪問をおすすめします。
Vegan Vibes Berlin
📍 住所:Niederbarnimstraße 16, 10247 Berlin, ドイツ
ベルリンの休日は、遅く起きてブランチを楽しむのが定番。「Vegan Vibes Berlin」は、そんなゆったりとした朝食やブランチに特化した、こぢんまりと可愛らしいヴィーガンカフェです。オーガニック食材にこだわったメニューが揃い、若者や中長期滞在者から絶大な支持を得ています。
絶対に頼みたい看板メニューは、絶妙な味付けがたまらない「豆腐スクランブル」と、新鮮な「アボカドトースト」。さらに、色鮮やかなビーツのフムスを使ったサンドイッチや、焼きたての甘いワッフルも人気を集めています。フレッシュなオレンジジュースやこだわりのコーヒーと共に味わえば、最高の1日のスタートを切れること間違いありません。
アットホームで温かいスタッフのサービスも心地よく、一人でふらりと訪れても、友人と語り合うのにも最適です。ただし、日曜日の12時頃など週末のブランチタイムは「席取り合戦」になるほどの混雑ぶり。予約不可のため、確実に席を確保したいなら、朝一番で訪れるかランチのピークを避けた時間に足を運ぶのがコツです。
Vegano Mezo
📍 住所:Rigaer Str. 2, 10247 Berlin, ドイツ
中東の食文化が根付くベルリンにおいて、シリア料理をベースにした絶品のヴィーガン・メッゼ(中東風タパス)を提供するのが「Vegano Mezo」です。ここは、ただ美味しいだけでなく、訪れた人が口を揃えて「ホスピタリティが最高」と絶賛する、心温まるローカルレストランです。
メニューには、クミンなどのスパイスが香る「ファラフェル」や、ボリューム満点の「ヴィーガン・シャワルマ」、そしてレバノン風ピザとも呼ばれる「マナキッシュ」が並びます。どれを頼むか迷ったら、大きなお皿に様々な料理が盛られた前菜の盛り合わせをシェアするのがおすすめ。あまりの量の多さに驚くかもしれませんが、残してしまっても快く「お持ち帰り用(タッパー)」に包んでくれるので安心です。
電車の時間が迫っている旅行者には数分で料理を素早く提供してくれたり、食後にはサービスでヴィーガン仕様のライスプディングやミントティーを出してくれたりと、オーナーの心意気が随所に感じられます。アットホームな中東の温かさに触れたいなら、絶対に外せない一軒です。
Quy Nguyen
📍 住所:Oranienburger Str. 7, 10178 Berlin, ドイツ
ベルリンの中心部、ミッテ(Mitte)地区のオラニエンブルガー通り沿いにある「Quy Nguyen Vegan Living」は、徹底して動物性食材を排除した本格ヴィーガン・ベトナム料理店です。観光の合間や、現地のオフィスワーカーのランチスポットとしても重宝されています。
店内は落ち着いた照明と木目調のインテリアで統一されており、提供される料理はどれも彩り豊かで味のバランスが完璧です。人気メニューは、新鮮なハーブたっぷりの「生春巻き」や、「チャカ(雷魚風のディル炒め)」をヴィーガンで再現したメニュー(No.17)。また、竹かごで蒸されたうどん「Banh Canh Hap」など、視覚と味覚の両方でベトナムのストリートフードを楽しめます。
ただし、知っておくべきリアルな注意点が2つあります。1つ目は、ランチやディナーのピーク時には店内が非常に混み合い、スタッフが慌ただしく動き回るため、ゆっくり落ち着いて食事をしたい場合は少しプレッシャーを感じる可能性があること。ゆったり過ごしたいなら、ピークタイムを外しての訪問が吉です。2つ目は、「支払いは現金のみ(Cash Only)」という点。キャッシュレス化が進むベルリンですが、ここではユーロの現金が必須なので、食後のベトナムコーヒーを楽しむためにも忘れずに用意しておきましょう。
Umi Vegan
📍 住所:Lietzenburger Str. 4, 10789 Berlin, ドイツ
クーアフュルステンダム(通称クダム)などの西ベルリン中心部からほど近い場所にある「Umi Vegan」は、洗練されたヴィーガン・アジア料理と寿司を提供するレストランです。少し高級感のある落ち着いた空間で、質の高い食事を楽しみたい旅行者や長期滞在者にぴったりです。
こちらの目玉は、肉好きのノンヴィーガンすら驚かせるほどのクオリティを誇るフェイクミート料理。「ヴィーガンダック(鴨肉風)」が入った濃厚なレッドカレーや、セイタンを使ったヴィーガンチキンは、本物と遜色ない食感と風味を見事に再現しています。さらに、まるで麺が宙に浮いているかのように盛り付けられる「フライングヌードル」は、遊び心たっぷりで写真映え間違いなしのメニューです。
平日の午後(15時頃など)は比較的空いており、窓際の快適な席でスムーズなサービスを受けられるため狙い目です。お洒落なレモネードやカクテル片手に、西ベルリンでのショッピング帰りのディナーを満喫してみてはいかがでしょうか。
まとめ:ベルリンのヴィーガンカルチャーを楽しむためのTips
ベルリンでヴィーガングルメを満喫するために、いくつか知っておきたい現地のローカルルールがあります。
まず、ヨーロッパの中でもドイツは「現金主義」が根強く残っている国です。近年はカード対応の店も増えましたが、アジア系の個人経営店や小さなカフェ(今回紹介した「Quy Nguyen」など)では、今でも「Cash Only(現金のみ)」の場合が少なくありません。美味しい食事の後に慌てないよう、常に少額のユーロ紙幣を持ち歩くことをおすすめします。
また、ベルリンのレストランは一皿のボリュームがかなり多いのが特徴です。無理に食べきろうとせず、店員さんに「Zum Mitnehmen, bitte(お持ち帰り用に包んでください)」と声をかければ、快くタッパーなどの容器に入れてくれます。このテイクアウト文化は現地でごく当たり前のことなので、気軽に頼んで問題ありません。
ベルリンの人々にとってヴィーガン料理は、「制限食」ではなく「美味しくて地球にも優しい、新しいジャンルの食事」として日常に溶け込んでいます。ヴィーガンの方もそうでない方も、ぜひこの街ならではの自由でクリエイティブな食文化を存分に味わってみてくださいね。
