美食の街フィレンツェは、ヴィーガン・ベジタリアン天国!
「フィレンツェのグルメ」と聞くと、巨大なTボーンステーキ(ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ)やランプレドット(もつ煮込み)など、肉料理を想像する方が多いかもしれません。しかし、トスカーナ地方には古くから「クチーナ・ポーヴェラ(貧者の料理)」と呼ばれる、豆や野菜、パンを主役にした伝統的な食文化が根付いています。
そのため、もともと植物性の食材を美味しく調理する土壌があり、近年は健康志向や環境意識の高まりから、ハイクオリティなヴィーガン・ベジタリアン専門店が続々と誕生しています。
今回は、長期滞在の留学生から、食事制限のある旅行者、そして日常的にヘルシーな食事を楽しみたい地元民まで、幅広い層から熱烈に支持されているフィレンツェの絶品ヴィーガンスポットを5つ厳選しました。「肉がないから妥協する」のではなく「これが食べたいから行く」と思える、美食の数々をご紹介します。
RAW VEGAN FIRENZE
📍 住所:Via Sant’Agostino, 11B/C, 50125 Firenze FI, イタリア
サント・スピリト地区の近くにある「RAW VEGAN FIRENZE」は、その名の通り生の食材(ローフード)やオーガニック食材にこだわった、身体が喜ぶメニューが揃うお店です。白と鮮やかなグリーンを基調とした明るい店内は、心地よい音楽が流れるリラックス空間。天気の良い日には外のテラス席で陽の光を浴びながらのブランチが最高です。
ここを訪れたら絶対に試したいのが、ヴィーガンかつ「グルテンフリー」のナポリピザ。一般的にグルテンフリー生地はパサつきがちですが、ここのそば粉を使った生地は外側がカリッと、中は絶妙な薄さと食感を保っており、普段普通のピザを食べ慣れている人も感動するほどのクオリティです。フルーティーなトマトソースに、オリーブ、ケッパー、そして「ヴィーガンアンチョビ」が深い旨味を演出しています。
また、朝食や軽めのランチを探している方には、アサイーボウルやチアプディング、新鮮なスムージーも大人気。食後には、オーツミルクにも引けを取らない濃厚な「カシューナッツカプチーノ」と、デーツで自然な甘みをつけたローチョコレートケーキをぜひ。英語メニューも完備されており、スタッフがトッピングについて丁寧に説明してくれるため、観光客も安心して利用できるオアシスのような存在です。
Il Vegano – Firenze
📍 住所:43, Via S. Gallo, 75 Rosso, 50129 Firenze FI, イタリア
フィレンツェの中心部、ドゥオーモからもほど近いサン・ガッロ通りにある「Il Vegano」は、10年以上にわたって街のヴィーガンシーンを牽引してきた名店です。カジュアルなビストロの雰囲気がありながら、提供される料理はどれも100%植物性・オーガニック・地産地消にこだわった本格派です。
このお店の魅力は、イタリアの王道メニューを見事にヴィーガン仕様へと昇華させている点にあります。香り高いトリュフのリゾットや、植物性のパルミジャーノを使ったナスのグラタン、ボリューム満点のラザニアなど、どれも一口食べればシェフの情熱が伝わってくる完成度です。日替わりで黒板に書かれるメニューから選ぶスタイルで、訪れるたびに新しい味に出会えます。
そして、絶対に注文を忘れてはいけないのが「ヴィーガンティラミス」。クチコミでも「これまで食べた中で最も本格的で美味しい」と絶賛の嵐が巻き起こる一品で、クリーミーさと軽やかさのバランスが完璧です。知識豊富でフレンドリーなスタッフとの会話を楽しみながら、心も体も満たされる至福の時間を過ごせます。
Il Vegetariano
📍 住所:Via delle Ruote, 30 r, 50129 Firenze FI, イタリア
1981年創業という、フィレンツェにおけるベジタリアンレストランの草分け的存在が「Il Vegetariano」です。気取らない食堂のような温かい雰囲気で、長年地元のおじいちゃんおばあちゃんから学生、旅行者まで、幅広い世代に愛され続けています。
注文システムが独特で、基本的には自分でテーブルを確保し、食べたいものを紙にメモしてレジに持って行き、先にお会計を済ませるというカジュアルなスタイル(※時期によりテーブルオーダーの対応もあり)。名物のサラダバーでは、蒸し野菜や生野菜を自分の好きなように組み合わせて大盛りにできるため、旅行中に野菜不足を感じたときの救世主になります。また、野菜とトマトを冷たくブレンドしたヴィーガン仕様のトマトスープは、驚くほど濃厚で滋味深い味わいです。
料理のポーション(量)が非常に大きいため、少食の方は複数人でシェアするか、メインとデザートを1つずつ頼むのがコツ。入り口のショーケースにずらりと並ぶ自家製ケーキはどれも絶品で、無料で横に豆乳ヨーグルトや生クリームを添えてくれる嬉しいサービスもあります。サットヴィック(消化に良い純粋な食事)を求める方にも高く評価されている、心温まるローカルスポットです。
Nirvana Veg Restaurant Firenze
📍 住所:Via Il Prato, 4/b, 50127 Firenze FI, イタリア
サンタ・マリア・ノヴェッラ駅から少し歩いた場所にある「Nirvana Veg Restaurant」は、フィレンツェで最高のヴィーガンディナーを楽しみたい方にイチオシのレストランです。すべての料理は当日作りたてで提供され、オーナー家族の愛情たっぷりのホスピタリティが、冷たい雨の日に訪れても心まで温めてくれます。
ここの最大のハイライトは「セイタン(グルテンミート)」を使った料理です。市販のフェイクミートとは次元が違う、手作りならではの風味と食感を持つセイタンは、ローストからピリ辛のカラブレーゼ風まで、驚きの美味しさ。さらに、トリュフを贅沢に使ったヴィーガンカルボナーラや、スパゲッティ・アマトリチャーナなど、本場イタリアンならではの濃厚なパスタメニューも充実しています。
食物アレルギーにも細やかに配慮してくれ、メニューに迷ったらスタッフが一つひとつ丁寧に説明・提案をしてくれます。食後には、コーヒーを使わないティラミスや、洋梨とヘーゼルナッツのチョコレートケーキなど、創造性豊かなヴィーガンデザートをどうぞ。滞在中に二度、三度とリピートする旅行者が後を絶たない名店です。
Mamma mia brunch & bar
📍 住所:Via Giuseppe Verdi, 42r, 50122 Firenze FI, イタリア
観光の合間にふらっと立ち寄りやすく、フレキシブルで居心地の良いカフェを探しているなら「Mamma mia brunch & bar」がおすすめです。ここは100%ヴィーガン専門店というわけではありませんが、新鮮で丁寧に作られたヘルシーなブランチメニューが豊富に揃い、植物性志向の方もそうでない同伴者も一緒に食事を楽しめるのが魅力です。
アボカドトーストやサラダなどのブランチメニューに加え、旅行者や留学生に密かに大好評なのが「本物の氷がたっぷり入ったアイスコーヒー」。実はイタリアの伝統的なバールでは冷たい氷入りコーヒー(いわゆるアイスコーヒー)を見つけるのが意外と難しいため、夏の暑い日に街歩きで疲れた身体にはこの一杯が最高のご褒美になります。
さらに、ワインやプロセッコが飲み放題になる楽しい「料理教室」も開催されており、ただ食事をするだけでなく、ローカルな体験や交流を楽しみたい方にもぴったり。スタッフの明るいおもてなしと清潔でおしゃれな店内空間は、フィレンツェでの朝食やランチタイムをワンランク上の時間にしてくれるでしょう。
【コラム】フィレンツェで植物性の食事を楽しむための裏技
ヴィーガンやベジタリアン専門店以外でも、フィレンツェの一般的なトラットリア(大衆食堂)で植物性の食事を楽しむことは十分に可能です。トスカーナ料理には、固くなったパンと野菜を煮込んだ「リボッリータ(Ribollita)」や、トマトとパンの粥「パッパ・アル・ポモドーロ(Pappa al Pomodoro)」、ひよこ豆の粉で作るクレープ「チェチーナ(Cecina)」など、元から動物性食材を使わない伝統料理が数多く存在します。
お店で注文する際は「Sono vegano/a(私はヴィーガンです)」と伝えるか、「Senza formaggio(チーズ抜きで)」とお願いすれば、快く対応してくれることがほとんど。ローカルなオリーブオイルの豊かな香りと、太陽の恵みをたっぷり浴びた野菜そのものの味の濃さに、きっと驚かされるはずです。専門店と地元のトラットリアを上手に使い分けて、フィレンツェの美食を存分に堪能してください。
